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さいたま市議会【遺伝子操作食品についての二つの請願書】を不採択

2021年12月定例会の最終日の17日(金)、コトショクの有志が提出した請願の採択を聞きに市議会の傍聴にいきました。

議会棟の廊下に議員の名前や会議の案内のボードが出ています。

請願は全部で6件。コトショク有志は下記2件の請願を出しました。


・ゲノム編集の種苗を教育現場や保育現場に持ち込まないことを求める署名


・遺伝子操作された種苗・生物・食品へ表示義務を求める意見書・請願

議会は10時から始まりました。

請願は前日までに各委員会で検討され、採択と不採択が決まっています。

今回は6件、すべて不採択でした。議会で意見を聞いてから全体の採決をするのです。

各会派からと希望する無所属議員による議案と請願についての意見陳述がありました。


上記二件の請願について賛成の意見を述べたのは下記の★お二人のみでした。


鳥海敏行(共産党)

❖請願27

•保護者は教材とされることへの不安を抱いている

•教育現場へ持ち込まない事を堅持すべき

❖請願28

•どのような物かを知り、選ぶ権利は大事なもの

•今の表示は不十分 2017〜2018の表示に関する検討会で改悪され、有害なエビデンスが無いという理由から表示が見送られた

•安全性が確認されないまま流通していく

•表示の義務化は急務である


川村準(無所属)

•人体、特に子供への影響は予測出来ない

•予防原則、消費者の知る権利を守る立場から

そして、表示無しの日本の作物はEU、ニュージーランドなど海外に受け入れてもらえなくなる

•有機農業の存続に関わる


・・・・・・・・・・・・・・・・・


自民党の二会派と公明はこの請願についての意見はなし。(採決では反対)

無所属の吉田一郎議員は反対。

立憲民主党と無所属議員からなる最大会派「民主改革さいたま市議団」も反対で、その意見は、ちゃんと勉強して検討してくれたの?という内容で、落胆、怒りを感じました。


武田和浩(民主改革)

❖請願27

•食糧問題を解決するものであり、様々な分野への応用が期待される

•トレーサビリティを確立していきたい

•保護者の不安は分かるが、申し出があれば説明していきたい

❖請願28

•ゲノム編集についての表示義務が無く、消費者が選別出来ないのは問題だが、現状ではゲノム編集食品が安全でないとは言われていない


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最後に議員の起立で議案と請願について賛成と反対の採決をとり、請願に関してはすべて不採決が賛成多数で決定しました。


もしかしたら内容でなく誰が出したかで、採決・不採決が決まっているのではという疑念が浮かびました。


「これからゲノム編集のトマトが配られるのだろうか」「どうすれば阻止できるだろうか」と話しながら市役所をあとにしました。

川村準議員より請願部分の意見の原稿をいただきました。

当日は一部変更した部分があるそうで、参考としてご覧ください。


無所属の川村準です。
 請願27号、ゲノム編集の種苗を教育現場や保育現場に持ち込まない事を求める請願の採択を求めます。
本請願は、ゲノム編集技術を開発している団体が、昨今、ゲノム編集の種苗を教育現場等に提供しようとしている動きがあり、このことに反対する請願です。
子供のころから慣れ親しんだものに関して、警戒心が薄れるのは当然であり、そうした意味からゲノム編集の開発団体が、種苗を今後、教育現場等に提供する動きが拡大することはほぼ確実であると考えます。
さて、ゲノム編集技術は、安全なのでしょうか。
遺伝子組み換え技術に関しては、外部から新しい性質を付け加えるものですが、ゲノム編集に関しては、ゲノムを切断し、突然変異を起こさせることで、もとからある性質を変化させるものであり、日本政府は、遺伝子組み換えとゲノム編集は異なるとし、遺伝子組み換えのみを問題視し、ゲノム編集は野放しになっています。
しかし、EUやニュージーランドは、ゲノム編集は遺伝子組み換えの一つだとしており、同時に規制をしっかり行っています。
遺伝子組み換えにしても、ゲノム編集にしても、今後、人体に与える影響が予想できません。
また、子どもは、日本において酒を飲み、煙草を吸うこと禁じられています。なぜなら、生育途中の子どもにニコチンやアルコールが与える悪影響が成人と比べ、甚大であると考えられるからです。
同じように、可能性として、ゲノム編集が子どもに与える影響は、成人にくらべ大きいことも予想されます。
ゲノム編集に関しては、生殖機能やDNAに与える影響も否定できず、今後、子孫を残す子供たちにゲノム編集がどういった影響を与えるか慎重に慎重を期することは当然です。
なお、請願反対派からは、授業で使用する際は、不安な人の声に寄り添う、という答弁が教育委員会から来たことを了とし、不採択を主張しています。
しかし、授業で使用する際は、などと中途半端な対応ではなく、現在の状況では、授業での使用を断じて認めるべきではありません。
加えて、議会として、ゲノム編集に対する態度を明確化しておくことは極めて重要であります。
さいたま市議会として、子供たちをゲノム編集から守る、子供たちを実験台にしない、という断固たる姿勢を示すために、本請願の採択は当然です。
最後に、請願28号、遺伝子操作された種苗・生物・食品への表示義務を求める請願の採択を主張します。
本請願は、特にゲノム編集食品に対し、表示義務が現状ないことを問題視した請願です。
先日から、トマトや真鯛などゲノム編集食品の流通が徐々に始まっています。しかし、先ほども述べたように、ゲノム編集が人間の体に与える影響に不明点が多い現状で、どの食品がゲノム編集かわからない現状は問題です。ゲノム編集の表示義務は、少なくともEU、オーストラリア、ニュージーランドなどで行われており、日本だけ知らず知らずのうちにゲノム編集を口にする、いわばゲノム編集の人体実験場にされてしまいます。
表示義務がある国は、予防原則の観点から動いており、日本も予防原則の観点から動くべきです。
また、先に述べた国々には表示義務があるということは、日本が食品を輸出する際、今後、制限を加えられる恐れがあり、日本の美味で個性的な食品を海外に輸出するブレーキになってしまいます。
さらに、有機農業の認証において、有機には遺伝子組み換えは含まれませんが、ゲノム編集に関しては、表示義務がなければ、判別ができず、実質日本の有機にゲノム編集が含まれてしまいます。有機にゲノム編集を含めてしまえば、日本の有機は実質的に意味を失ったと海外から侮られることは必須であります。


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